サラリーマンが5年で1000万円返済するために取り組んだこと(心境編)【お金の懺悔室 第五夜】
ギャンブルで借金1000万円抱えて破滅寸前から復活・完済したしくじり銀行員、メリルです。
10万人に読まれた、大まかな転落から復活の流れは↓にあるので、まだ読んでいない方はこちらもどうぞ!
このニュースレター(という名の懺悔室)では、僕のお金や借金に関する懺悔や体験談を紹介しつつ皆様からの懺悔や相談もご紹介します。お金で困っている方の立ち直るきっかけとして、今後お金で困ることがないよう反面教師として、役立てていただければ幸いです。
他人の失敗体験は回避するだけで役に立つのでオススメです。
それでは、「第五夜 サラリーマンが5年で1000万円返済するために取り組んだこと(心境編)」です!今日は生々しい当時の心境を語ります。
ー目次ー
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メリルの懺悔 ・・・オープンで話しにくい自分の体験を取り上げていきます
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救いの声 ・・・僕が救われた本や記事、人の話の紹介です
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読者の懺悔 ・・・読者の懺悔や相談の紹介です
1.メリルの懺悔
前回は具体的に取った家計を改善する行動をお伝えしました。
今回は、当時の心境や心構えについてお話します。大きく3つの流れです。
① 借金の告白
② 罪悪感と虚しさの戦い
③ 自信に変わった経験
①借金の告白
告白なしには完済は無理でした。家族、特に妻に告白することは勇気が必要でしたし、緊張もしたし、最悪離婚もあり得ると思いながらしたことではありますが、結果として告白したことが一番してよかったことだと思っています。
まずはその時のやり取りや心境の振り返りからお話します。
【妻への告白】
冬のボーナスをほぼ返済とパチスロで使い果たし、妻から「ハワイに行きたい!」と言われたときでした。特にお金を使ってもいないし、予定があるわけでもないから行けないはずはないのに、妻の誘いを断ることに。
こんな生活はもう隠しきれないと悟った瞬間でした。
それから2日間ほど、不安と緊張と戦いながら今後について考えていました。どう考えても隠すのは無理だという結論にたどり着き、夫婦という関係が壊れるかもしれないけど、告白するしかない!と決意を固めました。
そこからは緊張で手汗が止まらず、じっとしていられなかったです。
意を決して、いよいよ告白。「実は借金が1000万円ある」と・・・
しばらく無言が続いたあと、妻の第一声は「正直、離婚したい。」でした。
当然離婚なんかしたいわけがないです。でも、当時の僕には隠し続けたこと、とんでもない額の借金の存在、そして何より罪の意識しかないから返す言葉がなかったです。言葉なんて出てこないのです。
妻にしてみても、パートナーが1000万円も借金を抱えていたなんてすぐに受け止められない現実だったに違いありません。なのでその日はそれ以上の会話はなく終わりました。
お互いに少しだけ冷静になった翌日に妻からの一言。
「これからどうするつもりか説明してください。それから考えます。」
必死で返済計画や行動をどう変えるか考えて、提案資料並みにつくりこんで翌日説明しました。
ただですね、ここですぐにギャンブルが原因であることが言えなかったのです。結婚してから特に増えていた借金だったこともあって、ここでも隠してしまいました。後から妻から納得がいかないと詰められてようやく告白・・・。
さらに当時、妻に言うのが一番怖かった僕は先に友達を頼っていました。妻が大事だからこそ妻には言えないと考えていました。
ここでの妻の一言は忘れられません。
「家族だからこそ、受け止めるし、一緒に進もうと思うのに、なんで友達が先なの?私のいる意味は何??」
家族の意味も考えさせられることになってしまいました。
こうして全てを告白して前を向くのには結構時間がかかっています。隠し事があるうちはどうしても「不信感」しかわかないようです。毎日家に帰るのが怖い日々が続きましたが、全部話しきれたときは少しだけ安心感がありました。
その時にようやく妻から出た一言がこちら。
「わかった。これからはちゃんとして。もう嘘も隠し事もなし。」
夫婦って「同じ方向を向くことだ」とか、「共に戦うパートナーだ」と言いますが、本当にその通りだと実感しました。妻の理解、協力なしには立ち直ることなんかできなかったでしょう。
(よく返済したメリルさんよりも奥さんがすごいよねって言われます)
結婚相手が正解かは結婚する時になんてわからないですが、結婚したからにはその選択を正解にしていくってことを妻から教わったように思います。妻からしても、借金告白時点では僕は不正解でしかなかったでしょう。
だから借金を告白したときには、これからでもいいから正解に近づけていこうと決意しました。
【両親への告白】
子供のこと、家業のことなどやはり両親への告白も避けては通れず、妻への告白の後、両親へも告白。
まずは父親。
話したいことがある。●●にいるから来て欲しいと。
父親は、何かを悟った様子でしたが、冷静に、僕に何があったか聞いていました。
メンタルがやられて会社を休んでいたこと、ギャンブルで1000万円の借金をつくったこと、どうやって返していくかを淡々と伝えました。
第一声は
「高級車でも買っておじゃんにしたと思え。きっと返せる。まずはちゃんと健康になって、ちゃんと働け。」
自営業で商人として、店を立て直した父らしい一言に勇気付けられました。
父親も多くは語りませんでしたが、責めることはなく、やり遂げることを信じてくれている、そんな感じだったのを覚えています。
次は母親です。母親はショックを受けやすい性格とわかっていたので、慎重に話しました。まずは親父から概略を、そして僕から僕の言葉で、ことの一部始終を。
「なんでもっと早く言わなかったの・・・(号泣)お金よりも、健康には本当に気をつけてね。」
いわゆる真面目に育てたはずの息子の行いにショックを受けることを想像していましたが、掛けられたのは心配の言葉だけです。親の尊さを感じずにはいられなかったですね。
【友人への告白】
友人への告白はやはり生活という意味では距離感があるので、家族に比べれば緊張感はありません。離れていく人、ネタにしてくれる人、応援してくれる人、金銭支援を申し出てくれる人、本当に様々でした。
ただ、一つ言えること。
友人にこういう重い話をした時、はっきりと関係性がわかってしまいます。
その友人がいいひと・悪い人ということでなく、自分と友人の関係性がつまびらかになってしまうので、友人(特に職場)は話すか話さないか慎重になったほうがいいかもしれません。
家族のように生活をともにするわけでもないので、告白しないことも選択肢だと思います。
告白は、本当に勇気がいるし、体力的にも精神的にもめちゃくちゃしんどいです。
でも、立ち直るきっかけに必ずなります。一人じゃない事、支えがある事、味方や仲間がいることを再認識し、もう一度前を向くチャンスになるはずです。
誰にも話せていない人がいたら、ぜひ周りに話をしてみてください。周りに話しにく人は僕にDMでもくれれば聞きます!
② 罪悪感と虚しさとの戦い
しばらく消えなかったのが罪悪感と虚しさです。
告白すると隠し事がないことでスッキリはします。ただ、一方では借金が1000万円もあること、返し終わるまでは生活に制限があることは妻に対して罪悪感だらけでした。
また、どこかに消えていった1000万円ものお金(と利息)、そんな無駄に過ごした時間と返済に耐える時間、妻にはもちろん自分自身に虚しさがありました。
後悔していても仕方ないですし、とにかく返すしかないのですが、過ぎたことには解決策はないのでこの罪悪感や虚しさは消えてくれません。
罪悪感があると、まず、家庭の中でも発言も思い通りにできません。
気分転換に遊ぼうかなと思っても、罪悪感があると心から楽しむこともできません。
虚しさについては、序盤の返済がなかなか進まないときは地獄です。
仕事を頑張ってボーナスが入っても、昇給しても返済に回っていくだけ。辛いものでした。
「返し終わったたら心が晴れるのか?いや、結局失った時間やお金は取り戻せない。」と思うと全く心が晴れなかったです。
真っ当な人から見れば、それくらいの辛さは味わっておけよという声もわかりますが、返済をやり遂げようと思うとなかなか堪える感情でした。
自分で罪悪感や虚しさは辛いという話をするのが厚かましいことは理解してますが、懺悔ですし、これから前を向く人のためには、こういう気持ちが湧いてくること、障害になってくることは伝えておきたいなと。
更にメンタルもやられていた時期は余計にダメージでした。
ただ、ここでもやはり妻には助けられました。
借金があることをいじりつつも、必要以上に責めることはありませんでした。「あなたのせいでこんなことになった」というような発言はこれまで聞いたことがないです。このいじりつつというのがポイントで、ネタにはするけど責には使わないというのが、僕にはちょうどよい距離感でした。
これも告白していたからこそで、罪悪感と引き換えではありましたが、心折れることなく完済までたどり着くのは一人ではなかなか厳しかったと思います。
後半からようやくこの罪悪感や虚しさとの戦い方を覚えます。
罪悪感は、「今後の生活で埋めていくこと」だけを考えるようにしました。人って使ってきたお金や時間への後悔はものすごく大きく移ります。なので、その分を取り返そうと考えると心が折れるだけです。
なので、ゼロリセットと捉えることにしました。切り替えです。
開き直るようで気持ち悪さはありましたが、大事なのは前を向くことであり、完済すること。反省は単にしょんぼりすることではなく繰り返さないことであると捉えて切り替えることを重視しました。
真面目で責任感が強い人ほど、ここの葛藤にはきっと悩むと思いますが、人に迷惑をかけたり嘘をつかないのなら、切り替えてしまうほうが精神衛生上も落ち着いて進むことができるはずなので、オススメです。
今後を自分も妻もどれだけプラスなことがあるかだけを考えているうちに返済も進み、徐々に罪悪感と虚しさは薄れていきました。罪悪感が取れると虚しさも徐々に落ち着いていきます。
卑屈になるのが一番良くないです。前を向こうとしても向けないですし、素直に喜ぶことすらできなくなります。行動がしっかり変わっていれば、罪悪感や虚しさは忘れていいと思いましょう。
③ 自信に変わった経験
どん底を乗り越えると自信がつきます。
生活もメンタルもボロボロだった、返済初期。そこから、借金告白、返済計画を立てて実行、生活や家計の見直し、パチスロをやめる・・・生活・習慣・ペースを取り戻すのが第1段階。
まず、生活や習慣を変えることは辛かった反面、一度自分のペースにすることができれば意志力に頼らず続けていけます。
特に習慣の見直しについては、自分を客観的に分析したことで癖やハマり方がわかって対策できました。ポイントは、「理由」だけに着目せず、「シチュエーション」を捉えることでした。
「なんで?」だけじゃなく、「どんなとき?」「なにをしたあと?」と振り返ることです。
この方法は禁煙やダイエットにも使えたので、今度またまとめます。
生活が安定すると、少しだけチャレンジができるようになります。それが第2段階。具体的には、仕事で新しい業務・役割に積極的になることでした。
返済や生活で頭がいっぱいだとチャレンジする気は起こりませんでした。ましてやメンタルがやられてしまった一因が仕事だったため、余計にハードルが高かったです。
第1段階で生活を安定化できたというちょっとした自信となんとかなりそうという安心感で、仕事で挑戦をしてみた結果(たまたまな部分もありますが)、昇給につながりました。
この昇給が生活にも精神的にも余裕をくれることになったので、チャレンジしてよかったと思います。
注意点は、先に安定化を持ってきて次にチャレンジすることです。相談に乗っていると先にチャレンジ(ひどいときは一発逆転)をはじめようとする人がいます。チャレンジにはストレスはもちろん、不確定要素がつきものでなので、先に安定してからにしましょう。
第3段階は人に話す(発信する)ことでした。結果論でしかないのですが、自分の経験を記事にして多くの人に読まれたことは、前述した罪悪感や虚しさがスッと消えていく瞬間でした。
人から面白い、学びになったと言われると自分でなんとかしようとしているよりも簡単に気持ちを変えてくれます。自信がでます。失敗が成仏するイメージです。
また、記事にしたり人に話そうとすると、客観的に振り返ることになります。これがめちゃくちゃ大事なポイントです。
客観的に振り返ると、自分にとっても再発防止になります。こんなときは失敗しやすい、こんな状況で失敗したと後々振り返るときにわかりやすくなるのです。更に人に話してることを自分が再びするわけにはいかないと抑止力も働きます。
何より発信することで、Twitterのフォロワーが増えたり、関わる人がぐんと増えました。失敗を認めて立ち直ったことを話したことが、新たに関わる人を連れてきたくれたことことで、ただの失敗経験を社会的な資本に変えられたことは本当によかったです。
失敗を単なる失敗のままにしないのが、人に話す(発信する)ことの良いところです。
このように、①安定→②チャレンジ→③発信するの手順で自信を取り戻すことができたわけです。
2.救いの声
今日は、卑屈にならないことの大切さを話したいと思います。
僕、実はめちゃくちゃ背が小さいんです。子供のことから背の順は常に一番前で、ちびを理由にいじめられたこともあったり、もちろん恋愛面でも相当苦労しました。告白する前に「噂で聞いたけど、私のこと好きみたいだけど、そういうのないから。」みたいに振られたり(中学生のときですが)。
はっきりとこのときとは思い出せないですが、「嫌がるからいじめられるんだ」と気づいて開き直るようにしたらいじめられなくなったこと、黙ってないで言い返すやり返すと平気なことを気づいていじめからは開放されました。
見た目でモテないのは諦めようと決心し、努力でなんとかなることに注目してめちゃくちゃがんばりました。勉強だったり、おしゃれすることだったり、話を聞くことやコミュニケーション能力磨くようにしました。
モテたのかはわからないですけど、人並みに付き合った人がいたり、共学で共学らしく過ごしたり、結婚もできてるので不満はないです。
社会人になってから営業しているときのこと、このときもまたなめられたものです。若い上に小さいので、「君にうちの担当なんて務まるの?」なんて大企業の部長さまに言われたものです。
その時も、なめられてるということは何でも言いやすいに違いないと発想を転換して、ひたすら愚痴や不満を聞くことにまずは徹しました。そのうち、愚痴や不満の解決を話すことで成績は向上していきました。
このように、ちびという最大のコンプレックスを局面局面で乗り越えてた僕ですが、仕事や借金でくよくよしてたときに妻の一言。
「その小ささ気にせず卑屈にならず生きてこれたのに、なんでもっと小さいことにクヨクヨしてんのよ」
結構衝撃でした。確かに努力とかじゃどうしよもできないことを発想を変えるなり、努力の方向を変えるなりして、乗り越えてきたわけです。それなら、仕事や借金なんてある程度努力でなんとかなる部分が多いからなんとかなるかも気づけました。
なによりも卑屈になるとその時点で可能性すら閉じてしまいます。僕なんて、私なんてって発した時点でお先真っ暗なわけです。
ということで、どんなに駄目な状況に置かれたとしても卑屈になるのだけはやめましょうね!!
そしてコンプレックスは乗り越えることにエネルギー使うとなかなかよい力になります。
3.読者の懺悔
今回はせっかく自分の事業を立ち上げたのに不慮の事故で借金だけが残ってしまった方からの質問です。
自分の飲食店をオープンしたものの、突然事件に巻き込まれて1ヶ月ほど入院しました。店を営業できない、治療費もバカにならない、オープンのときの借金返済が迫ってくるなど、身も心もボロボロになりました。
今現在は借金返済のためになんとか働いており、時間もお金も自信もありません。この生活の中でも少しずつ自信をつけ、またチャレンジしたいと思っております。
メリルさんが自信ををつけるために日々取り入れていることがあれば教えていただきたいです。時間やお金があまりない中でもできることだと助かります。よろしくお願いします。
僕の答えは下記の2つです(今日話した内容とも重なりますね)。
・自分の経験や考えを発信すること
・背伸びするくらいの目標を立てて達成すること
自己肯定感が低いんですが、やはり他人に肯定してもらうのが一番早いです。そのためにはTwitterでたくさんの人でもいいですし、リアルな所で身近な人に話してみるでも、とにかく発信が大切です。リスクとしては批判もあることですが…。
自分で決めたことをやったっていう結果があり、それを記録しておくと自分の自信に変わっていきます。記録がとても大切です。瞬間瞬間では自分の成長とかよくわかりません。小さくしか進んでないので。
記録しておいて、あとから振り返ると長い目でみれば必ず進んでるはずです。自分で決めたことができていると、自分ひとりで悩みを解決できたことになるので自信になりますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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