ATMからお金を引き出すように、お金を借りてたあの頃【お金の懺悔室 第二夜】
ギャンブルで借金1000万円抱えて破滅寸前から復活・完済した銀行員、メリルです。大まかな転落から復活の流れは↓にあるので、まだ読んでいない方はこちらを先にどうぞ!
このニュースレター(という名の懺悔室)では、僕のお金や借金に関する懺悔や体験談を紹介しつつ皆様からの懺悔や相談もご紹介します。お金で困っている方の立ち直るきっかけとして、今後お金で困ることがないよう反面教師として、役立てていただければ幸いです。
他人の失敗体験は回避するだけで役に立つのでオススメです。
それでは、「第二夜 ATMからお金を引き出すように、お金を借りてたあの頃」です!どうぞ!
【目次】
メリルの懺悔 ・・・オープンで話しにくい自分の体験を取り上げていきます
救いの声 ・・・僕が救われた本や記事、人の話の紹介です
読者の懺悔 ・・・読者の懺悔や相談の紹介です
1.メリルの懺悔 金銭感覚が狂ったあの頃
このコーナーは、僕の懺悔です。オープンで話すのは迷うことを取り上げていきます。
第二回目として、一回目のたったの3万円からはじめた借金を1,000 万円まで増やしてしまった話の続きである「ATMからお金を引き出すように、お金を借りてしまった話」です。
どうやって金銭感覚は壊れていくのか、そもそもどんなお金の使い方をしてしまったのかをお話していきます。
(1)薄れた罪悪感
前回も話しましたが、お金を借りて余裕がなくなると、思考が短期的になってしまいます。目先のやりくりで必死になるためです。
そうやって、来月は1万円返せばなんとかなる!みたく、来月の支払いだけを考えるように短期的な考えしかできなくなる次に起こることを説明します。
次にくるのは、「借入残高がまるで自分の口座の残高かのような錯覚」です。
目先のことだけを考えている状態で、お金を借りていて起こる思考回路は、
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来月●●円返すことができればなんとかなる
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●●円(約定返済額※)返せば、あと●●万円借りていて大丈夫
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あと●●万円残高がある
※カードローン等は月々最低●円支払ってくださいという約定返済額があります。↓こういうのですね(表は三井住友銀行さんから拝借)
https://www.smbc.co.jp/kojin/cardloan/pay/
この約定返済額さえ払っていれば残高がまるごと自分のものだという錯覚がはじまるのです。
ちょっと想像してみてください。
あなたはお金が全く無く、欲しい物ややりたいことがたくさんあります・・・
月々15,000円払えば、使える金額が100万円増えます・・・
冷静な人はここで戻れますが、追い込まれるとこの罠にハマります。
そもそも、借りる行為を繰り返していると当然なれもあるので、借りる精神的なハードルがものすごく低くなります。つまり、ATMでお金を引き出す気軽な感覚で借入を増やしてしまうのです。
また、こうして借入が増えていく時に恐ろしいのは、借りたお金(元金)とその利息の総合計額を考えずに、月々の返済額に頭がいってしまうことです。「自分が総額いくら返さなければならないか」ではなく、「このままでいるには月々いくらで払えばすむか」に思考は変わっています。
これが1つ目の金銭感覚の麻痺です。麻痺しないためには、「自分が総額いくら返さなければならないか」を常に忘れないことです。
更に厄介なのが、約定返済額などの月々の最低支払額です。この金額は当然に利息(借りてるお金の残高ではなく、借りるための費用)を含みます。しかも、カードローンの利息は年利率10%以上がほとんどです。
なので、最低支払額を払い続けても借金残高しか減りません。このあたりは、次号「お金を払っても減らない借金の残高」で詳しくお話します。
(2)嘘を隠すために借金を重ねていく
こうして、月々の返済が日常の生活費に組み込まれると、当然何かを諦めなければなりません。
借入額の1.5%くらいは返済なので、100万円でも1.5万円、200万円なら3万円、1000万円だったら15万円が返済です。
本来であれば、その分のお金を使う他のことを諦めなければなりません。
しかし!!それができません。
特にできないのが、人付き合い関連や人の目を気にすること。
具体的にみていきましょう。
例えば、社内の飲み会にはじまり、同期からの誘い、奥さんから旅行の誘い、断るとなんで?となります。「お金がない」って学生でもないのに毎回使えるはずがありません。
しかも、社内の人は収入をある程度把握してるから、お金がないっていう言い訳ができないんですよ。
本当はないのに。
つまらない人と思われたくないって気持ちもあったので、誘いは断れない!などと、つまらないプライドを掲げて周りに流されてました。
他にも服などの身だしなみも同じです(仕事においては大事ですが)。当時は見栄っ張りでいわゆるブランド物の類にも憧れがあったのでつい買ってしまうことがありました。
家族、友人にバレないために、どんだけマイナスになっても隠すことを優先してしまいます。
人は一度生活水準や生活スタイルをあげてしまうと、維持しようとするので簡単に戻せません。例えば学生時代の極貧生活に戻りたいって思いますか?
こうして僕は更に借金を上塗りしていきました。
だからこそ、借金地獄からの脱却の一つは、周りに話すことです。めちゃくちゃ勇気がいりますが、金銭面ではなく、精神面で欠かせないポイントの一つだと後々で実感しました。
(3)もはやギャンブルは勝っても負けてもお金が減るだけになった
おまけです。欲に溺れた末路の話。
僕がストレスから逃げた先はギャンブルです。パチスロです。駅前にいけばたいていお店があります。
なんでストレスから逃げる先になるかというと、「なにも考えてなくていい時間」だからです。単に暇だと不安や悩みを考えてしまうんですよ。
でも、ギャンブルしてれば、当たるかなーって期待をしたり、大きな音やまぶしい光、ケンシロウの活躍をみていれば、なにも考えずにすみました。
そうして、負けたら当然お金はなくなっていくばかり。
逆に勝ったら少しでも返済に回そうとすると思うじゃないですか?
欲に溺れた人間はそんなことできないんですよ。焼き肉にいく、風俗にいく、ほしかったものを買う等、ストレス発散して終わりです。
ストレス発散をお金を使うことに頼った末路はこんなものです。
ストレス発散でお金がなくなり、そのお金を稼ぐ仕事でストレスを貯め、その貯めてしまったストレス発散にまたお金を使うという悪循環の完成です。
お金に頼らないストレス発散をみつけておきましょう。
それともう一つ。ストレス発散を非日常に頼らないことです。旅行はまだしも、普段買わないものをご褒美として買うとか、パーッと盛大に焼き肉とか、高級風俗とか、求めるとキリがないので感覚の麻痺につながりやすいです。ハメ外し過ぎちゃいましたってやつですね。
日常にちょっとのストレス解消を回数たくさんのほうがオススメです。パターンと回数で発散したほうが、感覚の麻痺が起きにくいので羽目を外して暴走みたいなことが起きずにすみます。ハーゲンダッツ買う、入浴剤でお気に入りを買っておく、朝起きたら散歩する、嫌なことがあった日は銭湯のサウナに行く、ライブDVDを大音量で観るなどなど、ストレスが溜まる前に自分の機嫌のとり方をたくさん準備しておくことがオススメです。
2.救いの声
今日の救いの声も本です。
「ストレスにさらされること」と「ストレスに反応すること」との違いを認識することが大切だ。「ストレスにさらされること」は、人間が成長するために何より欠かせないことだ。人間というのは、最もストレスを受けた部分が最も成長するものだ。
ストレスをなくそう、なくさなくてはいけないという方向にしか思考が向かっていなかった時に、反応を変えればいいんだというヒントをくれた本。
なにより休職から復帰したときに信頼してる人がプレゼントしてくれた。「強くなれというより、弱くてもなんとかなるってわかるはずだから。」と。
例えば、僕はプレゼン前には緊張するし、それがずっと不快で不安で仕方なかった。けれども、緊張してたからといってプレゼンに失敗するかどうかは別問題。うまくいってたことだってる。
そう考えると、緊張を悪いものとして考えたり、プレゼンの失敗を緊張と分けて考えられるようになった。
このようにストレスに対する「反応」をどうしたらよいか書かれている本です。
そもそも著者のジム・レーヤー氏はスポーツ選手がプレッシャーのもとで実力を最大限に発揮するにはどうすればいいかという研究を続け、二〇年来の研究の成果を「ストレス」という観点からまとめた本でもあります。
「ストレスはあなたのためになる」
あながち間違ってはいないと今は思えます。実際に返済生活中も多大なストレスはあったけど、そのストレスを味方にしながら返済を進め完済にたどり着いたわけなのです。
3.読者の懺悔 (質問相談コーナー)
今日はいただいた質問に答えていきます。
【質問】感覚麻痺や冷静さを欠いた様子は普段のメリルさんとは程遠い感じがしています。精神状態によってこうなったのか、それともどちらのメリルさんも存在していて振れ幅の問題で、今でもどちらにも振れる可能性はあるのでしょうか?
【回答】振れ幅の問題だと思っています。だから、油断するとまた同じようなことを繰り返しかねません。なのでこうして皆さんに伝えながら冷静になる時間をつくっています。また、振れ幅なのでリスクを取ったり、のめり込むエネルギーそのものは活かしようがありそうです。
【質問】どうすれば客観的に過去や自分を振り返って、離れた距離感でものを見られるのですか?
【回答】2つ要因はあると思っています。一つは記録好きなこと。日記を書いているので、あとから振り返りやすいです。もう一つは人目をめちゃくちゃ気にしてしまうことです。人からどう思われるだろうって考えているうちには離れた距離感で見れるようになりました。
皆さんからの質問・相談・懺悔は引き続きお待ちしています!!メールの返信でも、TwitterのDMでもかまいませんので、気軽に送ってくださいね。
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では、また来週会いましょう!来週は、「減らない借金」。
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